「温めて健やかに アーユルヴェーダ的冬の過ごし方とは」

「温めて健やかに アーユルヴェーダ的冬の過ごし方とは」

 

冬を健やかに過ごすために

寒さが続き日照時間が短くなる冬は、私たちの心身に様々な影響を及ぼします。

冬の冷えや乾燥によって体調を崩しやすかったり、夏に比べて薄暗い時間が長くてなんだか気分が鬱々としてしまったりすることは、誰にでも起こり得ることです。

とはいえ、数ヶ月間は続く冬の寒い時期、健やかに生き生きと過ごしたいものですよね。
冬の心身を整えるために、アーユルヴェーダの知恵を生活に取り入れてセルフケアしてみませんか?

アーユルヴェーダとは

アーユルヴェーダとは、5000年以上の歴史があるインドの伝統医学です。

アーユルヴェーダ

私たちが健やかに暮らし、年齢を重ねても健康を維持するための知識の宝庫といえます。

現存最古の医学といわれ、2014年にはアーユルヴェーダやヨガ等の伝統医学を管轄する政府機関「AYUSH省」がインドにて設立されるほど、アーユルヴェーダは伝統医学として根付いています。

西洋医学では、病気になった時に病院で医師の診察を受けて治療しますが、アーユルヴェーダでは不調に陥る前に日常的にセルフケアを行い、病気を予防し、健康を保ちます。

もちろん、不調に陥った場合にも、アーユルヴェーダの叡智によって対処することが可能です。

アーユルヴェーダの語源

アーユルヴェーダ(AYURVEDA)とは、2つのサンスクリット語から成り立っています。

AYU(生命)とVEDA(智慧)という2つの単語が合わさり、「生命の科学」「健やかに生きる為の智慧」という意味があります。

私たちは、季節や天候、住む土地の環境などの自然の影響を受けながら生きており、健やかに過ごすためには自然からの影響を無視することはできません。

アーユルヴェーダの語源

アーユルヴェーダは、自然と調和して生きていくためのガイドラインであり、健やかに過ごすために必要なことを様々な角度から知ることができるのです。

3つのドーシャ

アーユルヴェーダでは、トリ・ドーシャという概念が重要です。
ヴァータ、ピッタ、カパという3種類のドーシャ(生命エネルギー)のバランスを見て、3つのドーシャのバランスが取れている状態を健康とみなします。

自然界は五大元素(空、風、火、水、地)で構成されています。

トリ・ドーシャ(3つのドーシャ)には、それぞれに五大元素のうち2つの要素が当てはまります。

●ヴァータ=空+風…動き・コミュニケーションといった動かすエネルギー
●ピッタ=火+水…消化・代謝のエネルギー
●カパ=水+地…組み立て、まとめ、安定させるエネルギー

これらの3つのドーシャのバランスが乱れてしまうと不調に陥ってしまうため、バランスが取れるよう対処することで健康状態を改善します。

アーユルヴェーダ、トリ・ドーシャ、3つのドーシャ

ドーシャは、季節や年齢、生活環境など身の回りにあるあらゆることに影響されます。

冬は「ヴァータ」が増えやすい

3つのドーシャには以下のように、それぞれに対応する季節があります。

●春=カパ(水+地)
●夏=ピッタ(火+水)
●秋〜冬=ヴァータ(空+風)

ドーシャバランスが乱れている時、その季節に対応するドーシャに適したケアを行う必要があります。

寒くなってくると気をつけたいのがヴァータが増えることによる影響です。

ヴァータには、「軽い」「乾いた」「動く」「冷たい」「澄んだ」「微細な」「粗い」「硬い」といった特徴があり、ヴァータが増えるとこれらの特徴が表面化しやすくなります。

秋〜冬に以下のような症状が現れたら、ヴァータのためのセルフケアをしてみましょう。

●肌が乾燥してざらざらしたり、硬くなっていたりする
●手足が冷える
●喉の粘膜が乾燥して喉が痛い
●スケジュール過密で動いてしまう
●身体は休んでいても頭が働きっぱなし
●寝つきにくく眠りが浅い
●せっかちになったりイライラしたりする
●不安感がある
●疲労感が抜けない

ヴァータのセルフケアとは

ヴァータのセルフケアには様々な方法がありますが、特別な道具を使わずに始められるケアとして、以下のような方法があります。

●五感を休めるために、静かで自然を感じられる環境に身をおく
●スマートフォンやパソコンから離れる
●食べ物や入浴などによって身体を温める
●オイルマッサージを行い、自分の身体に触れ、保湿する
●ヨガによって体を温め、安定させる
●瞑想によって落ち着きをもたらす

これらを全て行う必要があるわけではありません。今の自分に必要なものを選択し、セルフケアをしていくことが大切です。例えば、住む環境によっても必要とする対処は異なります。

例えば、都会に住む人にとっては自然を感じられる環境へ身をおくことが休息となりますが、海や山の近くに住む人にとっては自然環境は既に身近です。

代わりに、より厳しい冷えや乾燥の対策のため、温めたり潤したりする必要があるかもしれません。

どんな方にもおすすめのセルフケア方法

環境によって多少の差はあっても、1年で最も寒くなる時期でしたら、温めることは誰にとっても必要なことでしょう。

そして、年末年始など気忙しなくなりやすい冬は誰にとっても落ち着いた時間が必要です。

温め、落ち着くために、今回は2つのセルフケア方法をご紹介します。

 

オージャスミルクで滋養と癒しを

まずは、オージャスミルクを飲むことをおすすめします。オージャスミルクは、滋養や癒しをもたらす飲み物です。

ストレスを軽減したい時、心を落ち着けたい時、緊張から解放されたい時、睡眠の質を高めたい時、体力や気力の低下を感じる時などにおすすめです。

アーユルヴェーダ、セルフケア方法

「オージャスミルクの作り方」
材料(1人前)
■牛乳またはアーモンドミルク…180ml
■デーツ…2粒(刻んでおく)
■おろし生姜、シナモンパウダー、カルダモンパウダー…各小さじ¼
・あればサフラン…ひとつまみ
・はちみつ…小さじ1/2〜1(お好みで調節)

作り方
小鍋に■の材料を入れ、弱火で3〜5分程度煮込む。吹きこぼれやすいので注意。
サフランがある場合はサフランを入れ、火を止める。
カップに注いだら、はちみつを少しずつ加え、お好みの甘さに調節する

ヨガで温め、安定感をもたらす

もうひとつのセルフケア方法は、アーユルヴェーダとは姉妹関係といえるヨガの時間を持つことをおすすめします。

ヨガのアーサナ(ポーズ)を取ることによって身体を温めることができますし、アーサナを取る時間は自分の内側へと集中しやすくなり、落ち着きをもたらします。

あ

さらに、冬にヨガを行う時には以下の点を意識して冷やさないよう注意してみましょう。

●身体を冷やさないウェアを選ぶ(足首まで隠れるレギンスなど)
●温かい室内で行う
●床が固く冷たい場合、ヨガマットの下にブランケットを敷いて行うのも良い
●呼吸法やシャバアーサナなどで動かない状態では、ブランケットを掛けたり靴下を履いたりして冷やさないよう調整する

おすすめのヨガ動画2選

ヨガで温め、落ち着きを取り戻したくなったら、以下の動画をおすすめします。

<代謝を上げて温めたい時に>

<落ち着きをもたらしたい時に>

冬は冷えによって筋肉が強張りやすく、乾燥の影響を受けて関節が固まりやすくなっています。
自分の身体をよく観察して、がんばりすぎず、無理のない範囲で動くよう心がけてください。

アーユルヴェーダの知恵を生活に取り入れて、健やかに冬を過ごしていきましょう。

ヨガにおすすめのウェアをご紹介

・小花柄ストレッチフィット背中クロスカップ付きインナー

▼価格:¥2,860 (税込)
▼ONLINE SHOP URL:https://www.atsugi-styleup.jp/shop/g/g47033RS-M-549/

腹部もしっかり隠れるインナーを着用することで、冷えから守ることができます。前屈のポーズなどでTシャツがめくれてしまっても、お腹や腰が露わにならないのも安心です。

・小花柄ストレッチフィットヨガレギンス

▼価格:¥2,530 (税込)
▼ONLINE SHOP URL:https://www.atsugi-styleup.jp/shop/g/g49260PS-M-549/

どんなアーサナをとっても動きやすく快適です。締め付けすぎないので、ほどよくリラックスできます。

【Profile】

磯 沙緒里 (Saori ISO)
ヨガインストラクター/アーユルヴェーダアドバイザー

ヨガ歴20年。幼少期よりバレエやマラソンに親しみ、体を使うことに関心を寄せる。
国内外でさまざまなヨガを学び、ヨガ経験を問わずに受けられる参加者に寄り添ったレッスンは幅広い年齢層から支持されている。
ヨガコラム執筆、大規模イベントプロデュースのほか、多くの広告出演やヨガ専門誌への掲載など活動は多岐に渡る。
オンラインレッスンを開催のほか、自宅で簡単にできるヨガ動画をYouTubeにて配信中。

HP:http://saoriiso.com/
Instagram:https://www.instagram.com/saoriiso
YouTube:https://www.youtube.com/c/ISOYOGA

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